共通テスト過去問研究 英語リーディング/リスニング

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教科
タイプ
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10
Lv.4-7
価格: -頁数: 1520P判型: A5刊行: 2026/4/16

 「赤本」の愛称で受験生から絶大な信頼を集める教学社から毎年刊行され、『共通テスト過去問研究 英語リーディング/リスニング』は、本番に向けた最終調整において避けては通れない絶対的なバイブルです。大学入学共通テストにおける英語は、従来のセンター試験から作問の方向性が大きく変わり、膨大な英文を短時間で処理する「情報処理能力」と「思考力」が強く求められるようになりました。本書は、その特有のボリューム感やスピード感、そして出題のクセを身体に叩き込むための、極めて実践的なツールとして機能します。
 本書を主に支持しているのは、国公立大学や難関私立大学の共通テスト利用入試での高得点を必須とする受験生たちです。本試験7回分(2021年度の2日程を含む)、追試験5回分に加え、独自の「実戦創作問題」各1回分を加えた計26回分(リーディング13回・リスニング13回)という圧倒的な収録数は、他書を寄せ付けない網羅性を誇ります。
 一方で、この圧倒的な分量と「過去問である」という事実が、基礎力が固まっていない受験生にとっては高い壁となります。英単語や英文法の定着が不十分なまま本書を開いても、時間内に読み終わらないばかりか、解説を読んでもなぜその訳になるのかが理解できず、自信を喪失してしまうケースが後を絶ちません。あくまで基礎固めを終えた後の「演習書」であるという立ち位置を誤らないことが重要です。

6000語を攻略するための圧倒的な演習量と実用性
 本書の最大の価値は、何と言っても共通テスト特有の「約6000語」という膨大なリーディング量に真っ向から挑める環境が整っている点です。過去問を年代順、あるいはランダムに解き進めることで、どの設問にどれだけの時間を割くべきかというタイムマネジメントの感覚が自然と研ぎ澄まされていきます。
 また、学習者の使い勝手を考慮し、問題編が別冊として取り外せる仕様になっている点も高く評価されています。本番と同じマークシート型の解答用紙も付属しており、机の上に問題冊子とマークシートを並べて解くことで、本番さながらの緊張感を伴ったシミュレーションが可能になります。

リスニング対策を激変させる「WEB音声機能」
 共通テストのリスニングにおいて、多くの受験生が恐怖を抱くのが「1回読み」の問題です。聞き逃しが許されないプレッシャーに打ち勝つため、本書ではWEB上で再生できる音声システムが提供されています。スマートフォンやPCからアクセスでき、通学中などのスキマ時間を有効活用できるのが大きな強みです。
 特に注目すべきは、6段階の再生スピード調整機能が搭載されている点です。普段の演習から1.2倍速や1.5倍速といった速いテンポで耳を慣らしておくことで、本番の音声がゆっくりとクリアに聞こえるという確かな学習効果を生み出します。早送りや早戻し機能も完備されており、聞き取れなかった箇所をピンポイントで反復練習する際にも極めてスムーズです。

過去問演習における挫折の罠と正しい向き合い方
 本書を使用する上で最も警戒すべきは、「解いて点数を出して満足してしまう」あるいは「点数の低さに絶望して放置してしまう」という状態です。赤本の解説は、正解に至るプロセスは的確に示されていますが、一文一文の構文解釈や基礎的な単語の意味まで手取り足取り教えてくれるわけではありません。
 もし長文が全く読めなかった場合は、解説を眺めるだけでなく、速やかに単語帳や英文解釈の参考書に立ち返る基本への回帰が必要です。また、過去問の数には限りがあるため、夏休みの段階で闇雲に全てを消費してしまうと、直前期に解くべき初見の問題が枯渇してしまいます。本試験と追試験を計画的に配分し、復習に十分な時間を確保するスケジュール管理が求められます。

どのような受験生に最適か
 結論として、本書は「単語・文法・基本的な英文解釈を一通り終え、共通テストレベルの英文を時間をかければ自力で読める状態にある受験生」に最適です。まずは夏休みの期間に1〜2年分を解いて「敵のレベルと分量」を知り、秋口から本格的な演習の核として本書を回していくのが王道のルートとなります。
 共通テストの英語は、英語力そのものに加えて「いかに速く正確に情報を探し出すか」というスポーツに近い側面を持っています。本書を通じて、出題者の意図を汲み取り、迷いなく正解の選択肢を選び取る「思考力」と「処理速度」を鍛え上げてください。本試験と追試験、そしてオリジナル問題をしゃぶり尽くした先には、どのような新傾向の出題にも動じない圧倒的な実力が備わっているはずです。

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